デール・カーネギーの著書「人を動かす」はベストセラーです。
1936年に原著が出されて以来、日本だけでも500万冊以上読まれているそうです。
私も10年ほど前に初めて「人を動かす」読みました。
当時、マーケティングとして、アメリカ・アジアの販売促進・営業サポートを担当していた時、物理的な距離も有り、顔を合わせた事の無い営業の方・代理店の方になかなか思ったような活動をしてもらえずに悩んでいました。
そんな時、上司から”読んでみたら”といわれたのが「人を動かす」です。
読み終わって、
「その人にとって動いたことのメリットが何か?を示す事が重要」
と感じたのを覚えています。
「相手の立場になり、立場で考え、立場でものを言う」
と言い換える事ができます。
これにより、相手は強制で無く自発的に動くようにになり、
モチベーションのレベルが全く異なります。
従って、“動いた”質が全く違ってきます。
このことを意識するようになり、
少しずつ営業や代理店が動いてもらえるようになっていった感覚を覚えました。
一方、マーケティングの立場から考えてみると、”人”と言うのは”顧客”になります。
つまり、「人を動かす」→「顧客を動かす」です。
ダイレクトレスポンスマーケティングの第一人者であるダン・ケネディは、「マーケティングの3M」を提唱しています。
- Market : 市場 = 顧客(ターゲット)
- Message: メッセージ
- Media : 媒体
です。
顧客に”購入という行動”を起こしてもらうために、最初は顧客を知ることが必要だと言っているのです。 そのために”顧客分析”をする必要があると提唱しています。
この”顧客分析”ではペルソナを定義するなどして、顧客のことを知り、”顧客のメリットは何か?”を考えることになります。
そのメリットを
- ”顧客が理解できる言葉(メッセージ)で”
- ”顧客に伝える(メディア)”ことで
- 「顧客を動かす」
と言うのが、3Mと言えます。
結局、「人を動かす」ためには、相手の立場になる=相手を分析する、ことが必要で、その手法としての”顧客分析”が重要になります。
逆を言えば、”顧客に購入してもらう”ためには、「人を動かす」ためのスキル・考え方がベースになっているともいえます。
デール・カーネギーの「人を動かす」とダン・ケネディの「マーケティングの3M」はこのような形で繋がっているのです。
因みに「顧客を動かす」という著書は有りません(調べた範囲では)。