先週、久しぶりに東京ビックサイトに行ってきました。

開催中の「ドリンク・ジャパン」と言う展示会です。

ビールはもちろん飲料そのものだけでなく、
関連の機器・設備の業界の展示会です。

今回は、展示会の中で行われる講演を聞くのが目的でした。
その講演は、、、

  • アサヒビール㈱ 取締役 兼 執行役員 研究開発本部長 伊藤義訓様
  • 旭酒造㈱ 会長 桜井博志様

==>ドリンクジャパン 「酒類専門セミナー」

のお二方です。


今回、講演を聴きにいくきっかけは、
私の友人が、旭酒造 桜井会長の著書「獺祭の口ぐせ」を読んで、
とても感銘し、会長に直接手紙を書きたところ、その返事を頂いて
ちょうどタイミング良くこの講演が有ると言う事で、誘っていただいたんですね。

 

私も同じ頃に「獺祭の口ぐせ」を読み、
ものづくりに関わった、今でも直ぐ脇に居る身として
とても素晴らしい方だなと感じていました。

同時に、中小企業のマーケティングの観点からも、
とても興味深かったです。

=>獺祭の口ぐせ」旭酒造会長 桜井博志著

そんなこともあり、数人のグループで講演会に押しかけてしまいました。


今回偶然にも(?)どちらも”あさひ”が社名に付いていますが、
方や、押しも押されぬ飲料の大企業、「スーパードライ」は知らない人は居ないでしょう(?)。

一方、旭酒造は、本社が山口県、資本金1000万円、社員100名あまりの中小企業です。
それでも、日本酒好きの方は、「獺祭」のブランドでご存知の方も居るのでは無いでしょうか?

この2社、方や大企業、方や地方の中小企業という、有る意味対をなしている2社なのですが、
“共通点が二つ有る”と思います。

その二つは、

  • どちらも、過去業績的に非常に厳しい状況だった事が有る
  • 苦しい状況を、熱意・情熱とマーケティングで乗り切った

と言うことです。


〇過去の厳しかった状況
アサヒビールは、今でこそ”スーパードライ”を中心に
ビール業界でシェアトップですが、

1880年代、ちょうど私が大学に入り、
20歳になってお酒を飲むようになった時期は、
シェアがじりじりと下がり、
大手4社の4位に転落し掛けていました。

ビール大手4社のシェアの推移
=> 「特集記事 キリン非常事態」月間Boss X Wizbiz 2015年4月号より

それを、1887年の”スーパードライ”発売で一気に復活します。
“辛さ”を強調したCM、実際に飲んだ時の喉に沁みる感じ、
今でも鮮明に覚えています。

その後、紆余曲折はありながらも、
遂に1998年、シェアトップとなります。

スーパードライ発売前には、
シェア50%を越えていた、麒麟麦酒を抜いたわけです。

確かに当時、ビールと言えば”何の疑問も無く”
「キリンラガー」と言う雰囲気でした。


さて、一方の旭酒造、1770年創業の老舗でありながら、
こちらも桜井会長が1984年社長に就任するまで、
否、就任後も暫くの間、かなり厳しい状況に陥っていました。

ご存知のように、日本酒の市場自身が縮小しているという状況のなか、
地元の中でも「負組み」と言われるほどの状況でした。
※実は、これが後々獺祭で成功する”強み”になります。
=>「日本酒をめぐる状況」平成28年3月22日 農林水産省 政策統括官

桜井会長(当時社長)は、生き残るために様々な手を打ちます。

 - 地ビールレストラン
   3ヶ月で撤退、約2億円の損失。 銀行融資がストップ。 杜氏も去っていく。

– お洒落なパッケージの純米吟醸酒を大手スーパーで発売
一時一世を風靡するも、他社が低価格で参入、大手スーパーから見放される。

 - 紙パックに入った日本酒
一時的に売上げ回復するも、やはり他社参入で売上げ減少・・・

等など、

特に、地ビールレストランは、かなりの打撃だったようです。
しかしこのことも含めて、様々な”失敗”が、獺祭の成功へと繋がっています。

桜井会長は、著書の中で、

 「やり直せない失敗は無い」
 「失敗は現在進行形」

と書かれています。


同じ”あさひ”と名の付く、二つの酒造メーカー。
大企業と中小企業の違いは有りますが、
苦しい時期を脱してきたことは同じ。

そんな、2社の方のお話を一緒に聞けたのはとても勉強になりました。

さて、二つの共通点のうちのもう一つ。

〇苦しい状況を、熱意・情熱とマーケティングで乗り切った

については、次回書くことにします。