新たに製品を開発する、生産する時、良く言われるのが、”QCD”です。
QCDとは、
Q: Quality 品質
C: Cost コスト
D: Delivary 納期
これらは、製品開発/生産管理に限らず、
プロジェクト管理や業務プロセス、
ひいては日常の何事についても、
何らかの形で、”QCD”を意識する必要があります。
人に何かを伝える時にも、
Q: 正確に必要な内容が伝わるか?
概要が伝われば良いのか? 具体的な数値も?
どの程度の正確さが求められるのか?
C: 伝えるための費用はいくらか?
どの程度の費用を掛けても良いのか?
D: いつまでに伝えるか?
数分以内? 今日中? 今週中?なのか
これらQCDを満足させる最適な手段で”伝える”ことになり、
条件により、
電話、手紙、FAX、メール、会いに行く
と最適手段は異なってきます。
これらは基本的にトレードオフになるので、
昔は、”悪かろう(低品質)、安かろう(低コスト)”が
許されましたが、
最近では、”Q:高品質とC:低コストは当たり前”という状況になってきて、
差別化のポイントは、“D→短納期”となってきています。
なので、Q→C→Dの順番にも意味は有るのですが…。
しかし、よくよく考えてみると”QCD”の前に、
とても重要な要素が有ることが判ります。
それは…
F: Function 機能
です。
つまり、まずは製品の機能が、
”使用者が求める機能である”
”使用者にとって価値がある”
”使用者が目的を達成できる”
ことが、前提です。
機能が使用者の目的/ニーズに合わなければ、
いくら “QCD”を最適化しても、製品は売れません。
まずは、機能なのです。
日本の製造業は、今までどちらかというと
生産管理の中で、”QCD”の最適化に強みが有りました。
製品を”造る”のが非常に得意だった、と言えます。
しかしこれからは、”どんな製品を創るか”が問われます。
逆に、機能での差別化は、
“QCD”での差別化よりも、根本的で強固です。
従って、”QCD”ではなく、”F-QCD”とすべきです。
機能を考える時、前回のメルマガで書いた通り、
”使用者にとっての目的が達成される”
ことが重要です。
そのためには、
”使用者が誰か?”
”どんな使用者を想定するか?”
が問われます。
機能、使用者をベースに思考するVE(Value Engineering)が
今、注目を浴びているのは、そんな要求の高まりが有るのかもしれません。