先日、某名刺管理ソフトベンダーのセミナーに行って来ました。
タイトルは、

「デジタルツールを活用した営業組織改革セミナー」

セミナー内での講演は二つ。

 

〇「デジタル時代における営業組織の有るべき姿」
〇「属人的営業からの脱却」

属人度合いが強く、泥臭いから、と言って
なかなか組織としての動きが出来ない会社・営業組織も多い中、
クラウド化してきた
顧客管理ツール・CRM・Marketing Automationツールを
如何にうまく使って、営業活動を組織的にするか、
と言うのがテーマ。

今、有る企業の営業・メンテナンス業務について、
IT化を道具として、
組織的な運営と業務効率向上、情報/ノウハウの非属人化の
コンサルティングを行っていることもあり、

業界シェアNo.1のこの会社・ツールから
何か気付きが得られればと言う事で参加。

そんな中で、今日のキーワード「働き方改革」を

VE(バリューエンジニアリング)的視点での捉え方に
ちょっと気づきが有った。


 【Amason Goの狙い】
レジ無しのスーパー「Amazon Go」って、単にレジ無しにしているのではない!
顧客がどの商品を取ったかは、RFIDタグとかを使っているのではなく、
天井の無数のカメラで”棚から取る動作”を追っているから!
一度戻したとかはもちろん、
取った時の”表情”も記録していると言う。

つまり、「購入時の心理状態」も把握している事になる。

これらの情報は、当然顧客個人に紐付けられている。

まさに”Amason.comで行われている事がリアル店舗でも”と言うこと。

利用者がほぼストレス無く、買い物が終わると言うことと合わせて、
一寸驚きだった。

 【”全社で営業”の意識】

名刺管理ソフト(Sansanとか)を入れても、営業の範囲での共有では、
効果は限定的。
営業以外だって外部と名刺交換はするので、それらも含めて共有する事が必要。
つまり、「全社で名刺共有、全社で営業」という意識と動きが有ると、
より思わぬところから、引合になる。

【働き方改革のVE的視点】
“働き方改革”が声高に言われていて、ほぼ「時短、効率化」になっている。
それだけで、この頃の第4次産業革命とも言われる技術革新の
効能とするのはもったいない。
その”アウトプット”自身も画期的に大きく出来るはず。

  VEでは、 V(価値) = F(機能)/C(コスト)

の式を使うが、この式で言うと、

* 単に “C:コスト”(要はリソース)を下げる方向だけでなく
* “V:機能”(要はアウトプット)を大きくすることも重要

と言う事になるのだろう。
両方が有って、 働き方改革の”V:(価値)”が画期的に大きくなる。

“効率化=コスト削減”だけにならないような改革が求められる、
と言うことと理解。

 【ツール導入時は、”データ入力のしやすさ”を重視】
ツールを導入したからと言って、
効果が出る・目的を達成できるわけではないことは周知のこと。
ちゃんと運用が実効的になる為に重要なのは、

効果を出すためには、データが集まって居る必要が有る。
データの入っていないデ-タべ-スなんて・・・・。

最初のデータ入力の負荷が大きいと、どうしてもデータが集まらない、
意義の有るデータが蓄積していかない。

入力作業を楽にすれば、自然と入力されデータが蓄積していく、
と言うのは真だろう。

先日も、コンサル先で某超大手コンサル会社が営業用の引合管理ツールを
Google DriveのSpread Sheetで作っていて、運用開始したが、
“入力がしにくい”と不満たらたらだった。

それならと、別ツールでプロトタイプを作ってデモしたら、
“入力がとっても楽そう、今すぐでも移行したい」
と言われてしまった。

入力に手間を掛けてメリットを享受する所まで
なかなか最初は行き着かないので、
“データ入力の負荷低減”はツール・システムの運用を
軌道に乗せるためにも必須である。

 【データの質】
蓄積されるデータの質により、そこから得られる示唆・知見も違う。
単に営業の顧客訪問日とかだけ有っても余り役に立たない。
その訪問での中身、Closingへ向けての意義・意味も一緒に入っていれば
そこから次の引合にも参考になる情報が得られる。

今のツールには、それをRecommendとしてアウトプットしてくれるものも
有るそうだ。

 

※因みに下の写真は、会場近くの国際連合大学前に有る、岡本太郎氏作「子供の樹
大阪万博での「太陽の塔」を思い起こさせる。