「実践図解 MOTマーケティング入門」の書評の第2回です。
この本は、基礎編・実践編・応用編の3部構成 全10章の構成になっています。
基礎編(1,2章)では、
- MOTマーケティングとは?
- MOTマーケティングとMBAマーケティングの違い
- MOTマーケティングの役割
について書かれています。
実践編(3,4,5章)では、
- 如何に顧客のニーズを把握して、
- 技術とマーケットを繋ぎ合せ、
- 製品・事業にしていくか
について具体的な考え方・手法・テンプレートの説明がされています。
最後の応用編(6,7,8,9,10章)では、
- 適用の事例
- 事業としてのロードマップの作成
- 知財、MOTマーケティングとしてのリスクマネージメント
について書かれています。
MOTマーケティングについて理解するには、
最低でも1~4章は読みたいところです。
◎「MOTマーケティング」は開発・事業化の為のマーケティング
さて、基礎編では、MOTマーケティングとは何か? について書かれているのですが、
「MBAマーケティング」と対比、分担が有るとしていて、
- 「MBAマーケティング」は、事業化した後のいわば「売るためのマーケティング」
- 「MOTマーケティング」は、「開発・事業化の為のマーケティング」
(図1-5-2 「新事業の市場に関するMBA、MOTマーケティングの分担」より)
としています。 MBAマーケリングでは4P, 3C, SWOT, SPTなどを使って
「如何に企業を効率よく経営し成長させ競合に勝ち抜く」かを考える事と言っています。
私としては、MBAマーケティングを”売るための”に集約してしまうのには、少々違和感が有ります。
なぜなら、例えば4Pにも Product が有り、製品/サービス自身も入っていて、
この中には“どんな製品を作るか・開発するか”も含まれていると思うからです。
但し、今日のマーケティングは、Webマーケティングが全盛?で、
”ワンクリックいくら”とか”コンバージョン率がいくらか”と言うとところの注目が高く、
“如何に顧客にとっての価値のある製品/サービスを開発するか”の視点が、
相対的に小さく見えてしまう事を考えると、ある意味正しいのかもしれません。
いずれにしても、研究段階から製品開発、事業化、産業化と進む中で
それぞれの段階でどのような事を考えて、
技術を育て、製品にして売っていくかという流れについて説明しています。
基礎編では、そのほかに
- プロセスイノベーションとプロダクトイノベーション
についても述べていますが、それは次のコラムで。
(記事内の「」囲みの部分は書籍からの引用部分です)