少し前になりますが、大阪で開催された、
関西VE大会に参加してきました。

三菱電機やJR西日本をはじめ、
多くの企業がVE適用の事例や推進事例などを
発表していました。

その中で、JR西日本のVE適用事例
とても印象に残りました。

駅にエスカレータを設置するなどの改良工事での
工期短縮の事例です。

確かに鉄道の工事では、
大掛かりな工事で工期は掛かりますが、
列車を動かしながら、人が使いながらの
工事になります。

工事自身はもちろん、利用者の安全確保も必須です。

工事中の不便な状況をなるべく短縮することが
求められます。

この事例では、次のようなアプローチで
工期短縮を実現したそうです。

①前提条件の確認
”これは外せない”という条件ですね。
〇エスカレータ設置、安全/列車運行の確保

②制約条件の整理
上記条件のための制約事項を共通認識にします。
〇工事中のホームの通路幅など

③問題点の洗い出しと整理
なぜ工期が掛かるのかの要因を洗い出して
その要因をグループ分け・系統付けます。

④問題点を”反転”させ、
 何が実現出来たら工期短縮になるかの要因をリスト

「仮囲いが多い」→「仮囲いを減らす」
※ 問題→課題 への転換と言えます。

⑤実現するための、具体的なアイディアを
 発想して整理

「仮階段の部位を減らす」→「既存躯体を利用する」

⑥アイディアの評価と採用案の決定
発想されたアイディアを、経済性、
技術性(実現性)と、工期短縮効果で評価。
前提・制約条件を確認して、採用/不採用を決定

今回の発表によると、約50のアイディアが発想され、
その内約15個が実際に採用され、
工期を当初予定の 14ヶ月から10.5ヶ月に
3.5ヶ月も短縮できたということです。


私も良く鉄道を使います。

JR渋谷駅改良工事(JR東日本プレスリリースより)

何年も前の京王線調布駅の地下化では、
工事の様子はほとんど判らない状態だったのに、
ある日突然! 地下ホームになっていて、
凄いなと思いました。

今は、渋谷駅が周辺含めて大工事で、
その様子を結構見ることが出来ます。
湘南新宿ラインのホームが
少しずつ移動している!のも判ります。

鉄道の工事、長い期間、運行や人の流れを
止めることなく、安全に行われる裏には
こういう努力と”プロセス”も
行われているのかと思います。


先のプロセス①~⑥は、何も鉄道工事に
限ったことではありません。

新製品の設計はもちろん、
何がしかのプロジェクトや、
何かの改良・改善にも同じことです。

「問題点」→「課題」の転換

は、当たり前のようですが、

一度”「問題点」として洗い出す”という
プロセスが重要です。

何かを始める時”出来ない理由=問題点”は
たくさん出すことが出来ます。

裏を返せば、「その問題が解決すれば実現する」
訳ですから、そこに注力することが必要です。