“電子部品の機能”と聞くとどの様な説明になるでしょうか?
例えば、抵抗は”電流を制限する”でしょうか。

この時の表現は、“名詞+動詞”になっていて、VEの機能表現になっています。

【部品の機能表現】

その他の部品では、

  • コンデンサ : 電荷を溜める
  • コイル   : 電流変化を抑える
  • ダイオード : 電流の方向を制御する
  • トランジスタ: 電流を増幅する
  • FET     : (電圧で)電流を制御する(増幅する)
  • オペアンプ : 電圧(或いは電流)を増幅する
  • CPU     : (FWで指示された)処理を実行する
  • メモリ   : 情報を保持する

と表現されるでしょう。 CPU、メモリになると違った表現も有るかもしれません。

しかし、これらの表現はあくまでも、
単体の部品の場合です。

これら部品が回路の中に組込まれた時には、回路の中でどんな”役割=機能”を果たしているのか、”目的”は何なのかを考慮する必要が有ります。

【分圧回路の例】

簡単に R1とR2での分圧回路を考えます。

分圧回路

  • R1とR2が直列接続で、両端にVinを加える
  • R1の両端から、Voutを取り出す

この場合、R1とR2はいずれも
“電流を制限する”機能を持っています。

そして、R2はそれに加えて、
“Voutを取り出す”機能を同時に果たしていると
考える事ができます。

“電流を電圧Voutに変換する”とも言えるでしょう。

つまり、VE的にR1、R2の機能を見ると

  • R1: 電流を制限する
  • R2: 電流を制限する + 電流を電圧に変換する

となります。

分圧回路としての

“電圧を分割する”、
 或いは”分圧した電圧を取り出す”

という上位の機能から見ると、
R1とR2の機能は抵抗としての単体の機能と
少し違って見えることになります。

もちろん、抵抗自身の基本機能として、
“電流を電圧に変換する”も有ります。

シャント抵抗として使用する場合には、
その表現の方がピンと来るでしょう。

その場合でも、”電流を制限する”機能は必ず持っています。

このように、部品を”機能で考える”ことが
電子回路をVEで考えて行く第一歩になります。