商品を売る事は、
顧客を最終的に“購入する”という「行動」に導く事です。
顧客は最初は商品の存在すら知りません。
その状態から「購入」までの顧客の心理的な動きをモデル化したのが、
購買行動モデル
です。 多くのモデルが提唱されていますが、
代表的なモデルが、
AIDMAモデル
でしょう。
◎AIDMAモデルの心理段階
AIDMAモデルでは、顧客の心理を5段階に分けています。
それぞれの段階での顧客の心理状態と、”売る側”としての対応が以下の様になっています。
- Attention:注目: 知らない → 認知度を上げる
- Intention:興味:興味は無い → 商品への理解を深める
- Desire :欲求:欲しいとは思っていない → ニーズを喚起する
- Memory:記憶:忘れている → 記憶を呼び起こす
- Action :行動:買うきっかけが無い → 機会を提供する
それぞれのステップの頭文字を取って「AIDMA(アイドマ)」モデルと呼ばれます。
販売促進も、この顧客の心理状態のステップに応じた内容が必要になります。
例えば、
「認知度を上げる」ために露出を増やす、目立つ配色・デザインにする、とか
「記憶を呼び起こす」ために何度もCMを流す、
「機会を提供する」ためにキャンペーンを実施する、
等です。
最近、ネット社会になって新たなモデルが注目を浴びています。
電通が提唱した
AISASモデル
です。
◎AISASモデル、顧客による共有
AISASモデルのステップは
- Attention:注目
- Intention:興味
- Search :検索
- Action :行動(購入)
- Share :共有
です。
皆さんも何か欲しいものが有った時、ネットでの「検索」は必ず一度はして、
価格比較をしたり、同じような商品を探したりとするのではないでしょうか?
今までも人に聞いたり、販売店をいくつも回ったりはしていたのですが、
ネットの普及でより「検索」を行うようになりました。
このモデルでもう一つ特徴的なのは最後のステップ「Share:共有」です。
購入した後に、”顧客はその使用経験・感想を「Share」する”と言う事です。
確かに、Amazonでは”カスタマーレビュー”、価格コムでは”レビュー、口コミ”で
購入した人が評価をアップしています。
また、ブログに書いている方達も多いです。
そして、何かを購入する時、その様な”レビュー、評価”を必ず見るのでは無いでしょうか?
ネットでなくても、「Share:共有」は行われています。
私の友人のSさんは、iPhoneを長く使っているのですが、
iPhoneを更に上手く使いこなす為に、
周辺のToolなどにも非常に詳しいです。
Google PhotoやSansan、Mac Book、格安SIMなどなど。
そんなSさんは、Facebookでそれらを使っている様子を時々アップしています。
また、セミナーで紹介したり、もちろんFace to faceで直接伝えたりしています。
そして、その便利さを理解して結構な方が、
Toolを使い始めたり、
格安SIMに移行したり、
しているのですね。
もちろん、Sさんはそれらの営業さんではなく、
あくまで一顧客として、
便利さを他の方に「Share:共有」しています。
iPhoneに関しては、ユーザーも多いですし、
お気に入り度も高いユーザーばかりなので、
「Share:共有」したい、している事は多いのでは無いでしょうか。
私はiPhoneではないのですが、
実は、いくつかSさんに影響されて使い始めたToolが有ります。
◎BtoBでも基本は同じだが、より「信頼」が重視される
AIDMAにしろAISASにしろ、
BtoC、つまり一般消費者を想定したモデルなのですが、
BtoBに関しても基本的に当てはまるります。
但し、製造業の製品、特に精密機器になると、
”信頼”と言う要素が強くなります。
(もちろん、一般消費者に対してもあるのですが)
”信頼”を重要視したよりBtoBのビジネスに合うモデルが、
AIDCAモデル
です。
Cは「Conviction:信頼」です。
AIDCAモデルについては、別の機会に紹介します。
販売促進では、顧客の心理状態のステップに応じた一貫した対応、
つまり、戦略が求められます。